論文の要旨
1. 「嗅覚順応」が食欲をリセットする
猫に同じ餌を繰り返し与えると、次第に食べる量が減っていきます。これはお腹がいっぱいになったからではありません。同じ匂いを嗅ぎ続けることで鼻が慣れてしまい(嗅覚順応)、その食餌に対する魅力(食欲)が低下してしまうためです。
2. 匂いを変えるだけで食欲が復活する
食餌そのものを変えなくても、「別の餌の匂い」を嗅がせるだけで、猫の食欲が即座に回復(脱順応)し、再び食べ始めることが実験で証明されました。
3. 少量頻回食(ちょこちょこ食べ)の理由
一日に何度も分けて食べるスタイルをとるのも、この嗅覚のメカニズムが関係している可能性が高いと示唆されています。
この論文から応用できること
1.トッピングの有効性
食餌を全部変えなくても、少し香りの強いものを振りかけるだけで「新しい匂い」と認識され、食欲を刺激できる。
2.「匂い」の管理
常に食餌を置きっぱなしにすると、その空間の匂いに鼻が慣れてしまい、いざ食べようとした時に食欲が湧きにくくなる可能性がある。
3.高齢猫・闘病猫へのアプローチ
嗅覚が衰えたり食欲が落ちたりしている子に対して、味や栄養素を変える前に「匂いのバリエーション」を持たせることが給餌戦略として有効。
引用文献
Takumi Takahashi , Shota Ichizawa , Sara Kikuchi, Olfactory habituation and dishabituation dynamically regulate feeding motivation in domestic cats, Physiol Behav,. 2026 Mar 31

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ちゃたろう (水曜日, 15 4月 2026 19:50)
数日前にネットのニュースでこの記事を読みました。
とても興味深くて、なるほど!と思いました。
今のところ、我が家ではしっかり食べてくれるので
苦労はしていませんが、今後の参考にしたいと思います。
小原公成 (水曜日, 15 4月 2026 20:51)
ちゃたろうさん、コメントありがとうございます。
私もネットニュースで見て、調べてみました。
飼主さんも、獣医師も、猫さんの食欲で一喜一憂することは多々あります。
多額の費用、特殊な装置を使わなくても一流誌に掲載されることに深い敬意を抱くとともに、
有意義な論文を発表された先生方に感謝です。