暇と退屈の倫理学

人は、何もすることがない状態、何をしてよいのか分からない状態の苦しさに陥るのを避けるためためであれば、よろこんで苦境に身を置きます。

では、暇の苦しみとは何なのか。それは記憶の傷です。

人は生きている限り過去の記憶が残ります。そしてこの過去の記憶は傷となり、苦痛をもたらします。

記憶の傷の苦しさから逃れるためには、絶えず新しい刺激が必要となります。

仕事、組織、生きがい、大儀、信じること、など常に何かにすがって生きることになります。