「PLUTO」に思う慈悲、慈愛

  複雑な混沌としたプログラムを動かすには、偏った感情を注入すること。手塚治虫、浦沢直樹「PLUTO」の話です。偏った感情とは、怒り、憎しみ、悲しみ、この強い感情によりプログラムは制御されロボットは目覚めます。目覚めないアトムにも偏った感情が天馬博士により移入されました。天馬博士は、アトムはモンスターになり目覚めることを予測します。アトムは、ゲジヒトの最期の感情を携えて目覚めました。それは慈悲、慈愛、だれかを思いやる深い悲しみ、だれかを守ろうとする強い愛、アトムは有り余る力も自ら制御し生まれ変わることができました。

 怒りや憎しみは、様々な人が集まる大きな集団も制御することができます。しかしそこから生まれるのは悲劇しかありません。

  手塚治虫の原作を踏襲しながらも、浦沢直樹により描かれた天馬博士の正体のつかめないこの表情は印象深いです。

引用文献 PLUTO 4、浦沢直樹、手塚治虫、小学館